STORY歩み、仲間

2025.04.15 有機JAS認証取得に向けて(3)
山神果樹薬草園にとっての意義

有機JAS認証取得のために準備を進めてはや3年。ようやく今年の夏、すだちの栽培と果実について認証を受けられる見込みが立ってきました。今回は山神果樹薬草園が有機JAS認証を取得しようとしている理由、意義をお伝えしたいと思います。

山神果樹薬草園では、独自の丸ごと皮削り🄬を経て、外皮を削り取ってから柑橘果汁を搾っているので、仮に外皮に農薬が付着していても、果汁やリキュール、コーディアル、ジャムなどには影響がありません。しかし、食の安心安全を約束するだけでなく、地元の皆様に評価され、必要とされる存在になるひとつの手がかりとして、有機JAS認証の取得を目指してきました。

いまでは地元の方が力強く支えてくださっている山神果樹薬草園ですが、つくろうとした当初、地元の方は期待感だけでなく、「川が汚れる、自然が壊される」といった懸念もお持ちでした。農業や食品分野の知識が乏しく、経験や実績のない私たちに対しては当然のお声です。

そこで手がかりとしたのが有機JAS認証でした。国内外で認められた認証で私たちの活動を客観的に評価してもらい、地元の方やお客様に信頼され、選ばれ続ける活動にしたいと考えたのです。里山は実にさまざまな生き物で成り立っていて、それを維持することは生物学上、里山を守り、活性化することにつながります。山神果樹薬草園が認証を取得する意義もここにあります。

認証取得を目標に掲げてから、スタッフが同じ方向を目指しながら主体的に動けるようになったと感じます。肥料や農薬、資材で迷ったら規格に合ったものを選ぶ。認証外で使えないもの、できないことがあってもあきらめずに考える、工夫する、手を動かしてみる。それを厭わなくなりました。

ここ佐那河内村の内外には、有機無農薬を実践している先輩方がいます。また、山神果樹薬草園の活動に触れて応援してくださったり、自らも有機無農薬に興味を持ったりした方もいます。そんな方たちとも共働して和柑橘の栽培方法と用途を共創し、付加価値の高い製品をつくって地元の里山をさらに元気にしていければと思います。有機JAS認証取得によって、その歩みがまた進みます。