STORY歩み、仲間

2023.06.14 和柑橘ジュース
違い・飲み方・つくり方

前回のSTORYでは、皮なし圧搾和柑橘ジュースを製品化した背景をご紹介しました。今回も和柑橘ジュースの話、違い・飲み方・つくり方をご紹介します。

山神果樹薬草園の和柑橘ジュースは2種類、「丸ごと皮削り®国産柚子と伊予柑のジュース」と「丸ごと皮削り®国産すだちと伊予柑のジュース」です。違うのはまず口当たり。柚子のジュースのほうがとろっとしています。水溶性の食物繊維・ペクチンの量が、すだちより多いからです。一方のすだちは、酸味や香りがシャープです。柚子にはないスパイシーさも含んでいます。

そのままでは酸っぱすぎる柚子とすだちの果汁を飲めるようにしているのは、伊予柑のほのかな甘みです。砂糖も添加していません。少し酸味が立った、大人のジュースに仕上がっています。

もちろんそのまま飲めるのですが、山神果樹薬草園のスタッフは、別の飲み方も楽しんでいます。ちょっと炭酸水を足すのです。農園での作業が終わった後に飲むと、汗を流した身体に酸味がシュワっとしみわたるような気がします。ジュース90mLに対し、炭酸水は20~30mL程度がおすすめです。もっと疲れた時は、この炭酸割りに「柑橘コーディアル」を加えることもあります。味がまろやかになるのはもちろん、甘みで「エネルギーをチャージしている」という気持になります。

すだち、柚子、伊予柑と、それぞれに旬があり、最盛期は1日に8tほどの生果を搾っています。搾汁する前に欠かせないのは味のチェックです。果実のでき具合によって、酸味や甘みが変わるためです。味を確認したうえで果汁の配合率を調整し、ジュースにした時の味を安定させています。

外皮を削った後の果実をローラーで丸ごと押しつぶすのですが、ここでの設定も非常に重要です。押しつぶし方が強すぎると苦みが出てしまいます。かといって弱すぎると、酸味や甘み、かすかな苦みや渋みなど、柑橘特有の味のバランスが崩れてしまいます。果実の硬さもその時々で変わるので「調節はいつも慎重に」です。

適した設定ができると、皮なし圧搾ならではの、美味しい果汁がほとばしります。と同時に、柑橘栽培にかかる労力を思い、生産者さんへの感謝の気持ちも湧き上がってくるのです。