2020.08.04
農園の草花の話
薬草と緑肥
農園には、いわゆる「雑草」と呼ばれる草が至るたくさん生えています。いつもは刈ることに夢中になっていますが、作業の手を止めてよく見ると、アマチャヅルやドクダミといった古くからの薬草や、土を肥やすクローバーが至るところに自生していることがわかります。
農園には、いわゆる「雑草」と呼ばれる草が至るたくさん生えています。いつもは刈ることに夢中になっていますが、作業の手を止めてよく見ると、アマチャヅルやドクダミといった古くからの薬草や、土を肥やすクローバーが至るところに自生していることがわかります。
茎を巻きひげのように絡ませながら成長していくアマチャヅルは、ウリ科の多年草です。乾燥させてお茶にすると、心を和らげてくれるような、ほんのりした甘みが感じられます。漢方として名高い高麗人参と同じくサポニンを豊富に含み、鎮静作用を持つといわれています。また、肌に潤いを与える「アクアポリン」というタンパク質も含んでいて、山神果樹薬草園の姉妹ブランド・北麓草水では、石けんや化粧水などの原料として使用しています。
湿っぽい日陰を好むドクダミ科の多年草。初夏に直径3cmほどの、四弁の真っ白な花を咲かせます。葉を乾燥させてお茶にして飲むと、老廃物の排出が促されるといわれています。また、胃腸への効能や利尿作用もあるといわれ、有用性の豊富さから十種の薬効がある「十薬」とも呼ばれています。私たちもアマチャヅルやドクダミのお茶をつくり、お客様と一緒に飲むことができたら、と楽しい想像をしています。
シロツメクサとも呼ばれる、春から秋にかけて白い花を咲かせるマメ科の多年草。根元から茎をいくつも伸ばして地面をはうように成長し、他の雑草の繁殖を抑制することから、カバープランツ(地表を覆って日光を遮り、雑草の繁殖を抑える植物)としてよく用いられます。クローバーをはじめマメ科植物の大きな特長は、根粒菌と共生して土を豊かにすることです。植物にとっての三大栄養素のひとつ、窒素を土の中に取り込み、植物の成長を助けます。私たちも大雑把に刈ってしまわずに、活かせるところでは緑肥(肥料になる植物)としても、クローバーを活かしていこうと思います。